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いつしか愛は毒になる
──結婚おめでとう
沢山の人に祝福されてフラワーシャワーを浴びながら永遠を誓ったあの日、私はいまこんな暮らしをしているなんて思ってもみなかった。
──永遠の愛を誓いますか?
いまなら間違いなく、あの時の私に私はこういうだろう。
──永遠の愛なんて存在しない。
好きだなんて、一時の気の迷い。愛してるなんてただのまやかし。
男女平等?夫婦平等なんて誰が言ったのだろうか?
結婚という名の鎖でがんじがらめに結ばれた関係は、いつの間にか汚れて醜くカタチを変えていく。
でも……それでも人は弱くて寂しい生き物だから。
だからこそ、一度掴んだ愛しい人の掌を手放してしまうことに戸惑いを感じ、背を向けることに躊躇いを覚えるのかもしれない。
そして歪んだ檻の中でいつかまた愛されることをどこかで期待しながら、今日もどこかで誰かが愛を求めて泣いているのかもしれない。
※画像はフリー素材です。
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