いつしか愛は毒になる

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私はチンッという音をきいてトーストをお皿にのせると、雅也のお気に入りのホテルご用達のバターを乗せコーヒーをテーブルに置いた。 そして冷蔵庫から昨日用意しておいたサラダを取り出し隣に置く。そのタイミングでスーツに着替え、髪を整髪料で整えた雅也が黙って椅子に腰かけた。 「ふん、相変わらず代わり映えのしない朝食だな」 「あ、あの雅也さんから、毎日このメニューでと言われていたから……」 「俺のせいだって言いたいのか?」 「ち、違うわ……もし食べたいメニューがあったら、教えてくれたらと思って……」 その時だった。雅也から焼きたてのトーストが飛んできて、私の顔面に当たった。 「きゃっ……」 「いいかげんにしろ!」 雅也の怒鳴り声に私はバターでべたべたに汚れた髪をそのままに床に這いつくばった。 「なぜ、いちいち俺が妻である、お前に指示を出さないといけないんだ?ただでさえ仕事で部下たちの上に立ち、日々神経をすり減らしているのに!俺に家庭でも神経をすり減らせっていってるのか?!」 「そんなこと……本当に至らない妻でごめんなさい」 「ほんとにな!お前はいつもそうだ!俺の指示がなければ何一つ満足にできない。朝食だって、たまには別のメーカーのトーストにしようとか、健康のためにフルーツをつけてみようとか、俺が気分よく出勤できるように配慮したことがあるのか!」 「ごめんなさい……ごめんなさいっ」 ──ピーンポーン
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