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「これからは互いに別の道を歩きましょう。永遠に」
「な、何を……早苗っ! それはどういう意味だ?!」
雅也は両手をこちらに叩きつけながら私に向かっていつものように、自分の身勝手で傲慢な言葉を吐き続けている。雅也の見たことない取り乱した姿と、私に懇願する様子に、私はこんなどうしようもない男に尽くし、ささやかな期待していたのかと思うと今更ながら静かに怒りが湧き上がってくる。
もっとはやく気づけば良かった。
愛は我慢するものでも、
努力して手に入れるものではないのだ。
──気づけば愛は心に芽生えて根付いているモノ。
私は鞄から用意しておいた離婚届をそっと取り出した。
「離婚届けだと! ふざけるな! 一体誰のおかげで今まで何不自由なく暮らせてきたと思ってるんだ!」
雅也がどんなに怒鳴っても、もう私は怖くなんかない。
「保釈金はサインと引き換えよ……さよなら、雅也さん」
私は口を開けたまま震え、呆然をしている雅也を残し面会室をあとにした。
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