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怖いもの見たさだったと思います。
僕は檻に吸い寄せられるように近づいていきました。父も止めたりしませんし、集落の人も僕を気に留めませんでした。僕のような子供には無関心なのでしょうか。
その時の僕は、どうしても知りたかったのだと思います。
自分と同じような年齢の子供たちが檻の中に閉じ込められている。
それがどうしてか分からない。その理由がどうしても知りたかったのです。
檻に近づくと更に子供たちの様子が見て取れました。
ある子供は、檻の中を這っています。その姿は何かの動物のように見えました。
ですが、僕の中の道徳観念や良心がそんな風に彼らを見てはいけない、そう言っていました。
ですが、そう見えてしまうのも事実です。
檻の網をギシギシと揺さぶり出ようとしている子もいます。
更に胸を痛めたのは、檻には小さな扉があり、そこから入れたのか、小皿に盛られた食事のようなものと飲み水があります。まるでエサです。その奥には排泄をする場所もあるようです。
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