山の教団

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山の教団

◆山の教団  そこまで話が進むと、帰りかけていた松下くんが寄ってきて、 「文哉くんと陽一くん・・何の話をしてるん?」と言いました。  松下くんは、いつも鼻を垂らしています。  文哉くんと松下くんは同じ商店街の息子同士です。文哉くんが薬局の息子で、松下くんが電気屋の息子です。  学校での雑談はいつもこの三人になりますが、話の内容的に松下くんは寄らないだろうと勝手に思っていましたが関心を示したようです。  話の仲間に入ろうとする松下くんに文哉くんは、 「陽一が、昨日の日曜日にあの集落に行ってきたらしいぜ」と一連の流れを説明しました。  話を聞き終えると松下くんは鼻を垂らしたまま、 「陽一くんのお父さん、変わってるなあ」と言いました。確かにそうかもしれません。ですが、問題は僕の父のことよりもあの集落のこと、そして、アケミちゃんのことです。  なのですが、今、気になっているのは、文哉くんの言った「お仕置き料」のことです。
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