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僕の住んでいた町は横に長く伸びており、すぐ北には山が広がり、南へ歩くと、すぐに海に出ました。
すごく分かりやすい土地ですが、幼かった僕はどこの町でもこんな形をしているものだと思っていました。
ですが、父にオートバイの後ろに乗せてもらって六甲山を登った時、山の北側に、別の町が広がっていたが印象に残っています。
それは「有馬」の町です。
僕は山の向こう側に、町があるなんて思ってもみませんでした。
有馬に住む人は南側が山なのです。
すごく当たり前の事ですが、その時の僕には衝撃的でした。有馬の温泉町の風景が異国のように見えました。
父との散策の中でよく行ったのが、地元の大きな川の上流です。
川辺を散策したこともありましたし、更に上流に上がって、奥にある大きなダムも見たことがあります。
途中に火葬場が見え、子供心に怖かったのを憶えています。
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