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ヤバいやつが来ました
だが宇宙人は何もしませんでした。攻撃も、あからさまな支配もしませんでした。何かしたとすれば、たったひとり、こいつがここに来たことです。
「あたしは全宇宙を統監するゾレフ星人のユレアと言う」
「はあ…」
「以後厄介をかける。部屋はハジメと一緒でいい」
「はあ…」
両親にそう告げたおかしな格好の女宇宙人は、どういうわけだかぼくの家を地球統治府に定めた。わずか4LDKのぼくの家をだ。
「さしあたって問題はないか?」
父がそう聞かれて困っていた。
「問題、と言うほどではないんですが、近所の方々がその…怯えまして…」
「なら近所を消し飛ばそう。そうすればおまえの家も広くなるだろう」
「やめて」
父の顔色が青からどす黒くなった。母さんが助け船を出そうと横から口を出す。
「あなた、それなら政府からいろいろ言ってきてるけど…」
「こらそういうことを言っては…」
「政府?日本というこの国の行政機関か?」
「はあ、まあ…」
「消し飛ばそう」
「いやいやいや…」
この女はヤバいやつだった。ある意味…。
作画 aahihi さん
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