地球はこいつによって征服されました

授業中は平和でした

それでも授業のときは彼女は遠慮してくれます。学校の図書室で、なにやら地球のことを調べているようです。

「今日は海洋生物について調べた。地球に来る前にいくつかの銀河を征服したが、そこで地球にいるイカによく似た連中がいたな」
「イカ？足が十本の？」
「そうだ。攻撃されると墨を吐くぞ」
「イカ、だな…それ」
「足がうまいのだ」

食うのか。それなら人類も食われておしまいか？

「安心しろ。ハジメは食べない」
「あ、ありがとう…」
「礼には及ばない」

そういって宇宙人の彼女はぼくをじっと見た。いやどう見ても食べるつもりじゃないのか？