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ガシャンと音が立った時には、もう床にガラス片が散らばっていて、涼さんがそれを朧気に見つめていた。
涼さんが、テレビボードの上にあった姉さんと二人で映るガラスのフォトスタンドを床に叩きつけたのだ。
「涼……さん？」
ズカズカと大股で近付いてきたかと思ったら突然壁に押し付けられて、早急な手付きでジーンズと下着を足首まで下ろされた。
「なつめ……僕を信じて？ 僕が今好きなのは、なつめなんだ。……だから僕を信じて？」
言葉と同時、下腹の中心を握りしめられると力強い指で擦られ吐息が乱れて「やっ、ぁ……」と声が漏れる。
こんな、いきなり直截的に下肢から弄られるような触り方、身代わりにされていた時以来で、涼さんが前の涼さんに戻ってしまったようで怖くて。
口では俺を好きだと言ってくれているけれど、きっと頭の中は姉さんでいっぱいで、それから逃げるみたいにこんな風に俺の身体を開こうとしているんだって思ったら涙がこぼれた。
睫毛に溜まった雫を舌で舐め取って、食い殺されるのではないかという煽情的な口付けとは裏腹に、頭をもたげ始めている熱を扱く指先はどこまでも荒々しくて惑乱を覚える。
やがて、立ったままの膝がガクガクと震えて、硬くなった芯が痙攣を繰り返して涼さんの指の中に抗し難く吐精してしまう。
後ろのまろみを帯びている双丘を鷲掴まれたかと思えば、肉を割り開くように吐き出した蜜が絡んだ指を窪まりに些か強引に二本挿し込まれた。
「ぁ、ん……りょ……さ……待ってっ」
呼気を乱しながら、必死に涼さんの胸にしがみついて、中で蠢く指に翻弄されると、次第に柔らかく孔の這入口がふにふにと綻び始めるけれど。
指が性急に退いて行くと、立ったまま片足を膝裏から持ち上げられて、俺より頭一つ分背の高い涼さんが、すぐに前を広げて屹立を取り出し、まだ解れきっていない最奥を一息に貫くように立位でにちにちと埋め込まれていく。
「ふっ……ぁ、はぁっ……んっ……キツッ……」
片足を浮遊させて立っている状態が辛くて、涼さんの胸にもたれかかるようにして、下からの刺衝をやり過ごそうとしてみるけれど、今にも膝を折ってしまいそうで。
けれど身体は正直で、無理な姿勢だというのに容易く涼さんを呑み込んで、揺さぶられる喜悦に持ち上げられている片足のつま先と、震えながら身体を支えているもう片の足の裏がビクビクと震え始める。
与えられる電に腰が慄いて、てらてらと先走りを流す脈打つ芯がいよいよ欲を解放しようと小刻みにトクトクと揺れて。
「涼さ……俺っ……もう……達っちゃ……駄目っ……んっ！ ぁ、んっ」
言葉と同時、立ったままの姿勢でドクンと脈打って精を撒き散らすと昂っていた熱から滴った白濁した粘液が内腿を濡らした。
だけど──。
涼さんが達かない。
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