327人が本棚に入れています
本棚に追加
「――ご褒美って、何が欲しいの?」
腹の上の粘液を一掬いして舐め取りながら、そんなわかりきったことを訊いてくるから、羞恥に眦を朱く染める。
俺は初めて涼さんに抱かれたあの日のように、自ら大きく開いた脚で片膝を立てて「指……でも、もう涼さんでもいいです……」なんて恥ずかし気もなく自ら愛撫を強請ってしまって。
火照った腹を撫で回していた涼さんが蜜を絡めとって唾液でしとどに濡れた息づく孔に指を一度に二本挿し込んで栗大の線を擦った。
途端、背が反り返って「ぁ……っん、涼さ……イイッ」と愉悦の声がこぼれて、自ら指を擦り付けたいみたいに荒い息遣いと衣擦れの音と共に腰を揺らすと、涼さんがクスクス笑った。
「相当、欲求不満だったみたいだね?」なんて問われるので頬に含羞の色が浮かんでしまったけれど、たちまち昂揚感を煽られて腰を動かしてしまうのを止めることが出来ない。
「凄いね。久しぶりだからかな? なつめの中、奥に行くほど搾り取るみたいにキュウキュウ締め付けてくる」
そんなの、舌を挿し込まれていた時点でとっくにじんじんと疼いて蠕動しているのに、揶揄するような的確な責め苦と共に内壁の襞を爪で引っ掻かれ身を捩る。
「そんなの……言わないでっ……くださ……んっ……」
吐精したばかりだというのに既に硬度を取り戻している下腹の芯から次々新しい淫液が滲み出して、双球と内腿がてらてらと濡れていく感触に全身を竦ませて。
指で中を弄られながら口接けられて食み合うみたいに互いの咥内を深く探り合えば、涼さんが耳朶に唇を押し付けながら低められた声で「甘い」と囁いた。
耳を掠める吐息に、涼さんに触れられている部分全てが性感帯になっているかのように全身が粟立って、もう指では届かない最奥が燻ぶって。
「ね、涼さん……も、俺……口の中なんかじゃなくて、もっと濡らして欲しい場所があるんです……」
涼さんが根元まで侵している人差し指と中指の爪先で中を引っ掻くようにして「この先?」と色に濡れた声音で問い掛けてくるから。
「うん、……もっと奥、涼さんで埋めて?」
最初のコメントを投稿しよう!