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深く繋がった下肢の奥を抉るように突かれて、時折最も敏感な粘膜を擦られると、涼さんの形と大きさを覚えている身体は瞬く間に痺れるように昂って、しまりのない口端からは唾液が溢れ出した。
「んんっ……ぁっ、んっ……涼さっ……そこ、もっと擦って……」
涙声で強請ると涼さんはぺろりと紅い舌で己の唇を濡らし、敏感な部分ばかり執拗に掻き乱されて。
急激に上がる快楽のゲージに耐え切れなくなって縋るように滑らかな背中に爪を立ててみたのは、俺なりの所有印のつもりだった。
肌を打ち付け合う乾いた音に混じって、それとは真逆の淫らに湿った水音が接合部から耳に届いてますます身体が熱くなって。
「なつ……めは、本当っ、男に慣れてるよねっ?」
涼さんの少しだけ嫉妬を滲ませたその言葉が嬉しくて、心の底から多幸感に包まれて爪を立ててしまった背をぎゅっと抱きしめる。
「でもっ……ぁっ……涼さ……んっ……が、あぁっ……んっ、一番っ……気持ちいいよっ?」
喘ぎ声交じりに切れ切れに返事をすると涼さんが俺の漆黒の前髪をかき分けて「なつめっ……あんまりっ、可愛いこと言うと、達きそうになるっ」と眉根を寄せて額に口付けられた。
やがて涼さんが腰の動きに大きくストロークをかけて刻むと、過ぎる悦楽に頭の芯がぼうっとしてきて、何も考えられないまま身体を揺さぶられて。
互いの腹の間で痙攣する俺のひくひくと震える中心に指が絡んで、前と後ろを同時に責め立てられる凄まじい劣情に撒き散らすような喘ぎ声が止まらなくなる。
「涼さっ……俺の身体でっ、……ふっ、ぁ、先に達って……?」
その言葉で涼さんが上体を倒すと耳朶を舐めてから口腔の中に熱い舌が強引に喰い入り、舌根が痛くなるほど弄られる身体中全てが繋がった悦びが、二人を高みへ巻き込んでいく。
体勢が変わったせいで中を抉っていた涼さんの熱杭の角度も変わり、より深みを抉られる刺衝に短く悲鳴が上がった。
「なつ……めが先だよっ? 達って?」
言いながら、抽挿する速度を上げられて「――ぁっ、も、涼さっ……達っちゃ……! んんっ、はぁっ」と突き抜けた快感に意識を灼かれ、身体中を震わせながら腹に白い欲望の証を撒き散らす。
道連れにするように達して小刻みに息継ぎをしている孔を締め付けたら「はっ……」と涼さんが柳眉を寄せながら唇を噛んで最奥に熱を放った。
しだれかかってきた涼さんの背を抱きしめながら、「俺の身体……気持ちよかったですか?」なんて再確認してみる。
涼さんが優しく目を眇めながら艶やかに微笑んだ。
「もう手放せそうにないから、一生傍にいてくれる?」
「……当たり前です」
照れ隠しに胸に顔を埋めたら優しく抱きしめられて、散々流した涙が再びこめかみを伝った。
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