「サンキュー!」

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〝昨日、リクとあなたの会話を聞いていました。母さんは、昨日寝るときまで、その男に腹が立って、眠れませんでした。何が、「勘違いしないでね」なのでしょう! あなたは、そういう物差しで測るような子じゃないのに。もう、いらいらして、寝付くのが大変でした。あなたは、わるくありません。そんな男、こっちから願い下げです。もう、相手をしなくていいと思います。あなたは根がミョーなほど優しいから、そういうやつがくるのです。次、いっちゃいましょう! 母より〟  拍子抜け。  母さんがここまで私のことで熱くなるの、私の経験では、初めてかもしれない。 『次、いっちゃいましょう!』  本当に、母さんの言葉・その通りだ。あのへんなヤツの思うつぼ。 「あっはは!」  同じ部屋で寝ていたリクが、びっくりするほど私は笑ってしまった。なんだ、人に話すこと・間接的でも伝える・って、こんなに心地が良かったのか。  あの比較的、ドライな母さんが、ここまで言うのだから、私はもっと怒りに敏感になっても良かったのかも。
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