第2話 続・ボートのふたり〜ドードー鳥は勘定に入れません〜

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🦤🦤 インド洋の絶海に浮かぶボートには、男がふたり。 ひとりは大英帝国海軍貨物船の艦長。 もうひとりは同じく大英帝国、国立ロンドン動物園の鳥類学教授。 1ヶ月前、ロンドン動物園は海軍の協力を得て、インド洋に浮かぶ絶海の孤島、モーリシャスに教授を派遣した。 政情不安定な植民地から絶滅危惧種であるドードー鳥を保護し、本国ロンドン動物園で繁殖させようという計画だった。 教授は現地人を雇い、ドードー鳥を探した。 そして、ようやく1羽のメスを捕獲した。 種の保存のためには、どうしてもオスを確保しなければならない。 しかし、海軍との契約は1ヶ月しかなかった。 血眼になって島中を探しても、2羽めのドードー鳥を捕獲することはできなかった。 教授は、断腸の思いで虎の子のメス1羽と共に、海軍の貨物船に乗り込んだ。
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