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🦤🦤🦤🦤
その夜、ふたりはまんじりともせず、狭いボートの上で向き合っていた。
東の空が少しずつ明るくなってきたとき、艦長はポケットから護身用の小型リボルバーを抜いた。
「教授先生、もう選択の余地はない」
艦長がリボルバーの銃身を、船尾に向けた。
ドードー鳥は目を覚ましていたが、銃を恐れることもなく静かにうずくまったままだった。
「チッ!なんてのんきな鳥なんだ!これだからお前らは絶滅しちまうんだよ!」
艦長が撃鉄を起こすカチリという音に、ドードー鳥は不思議そうに首をかしげた。
教授がそっと手を伸ばし、リボルバーの銃身を掴んだ。
「艦長・・・わかった。私の鳥だ。最後は私にケジメをつけさせてくれ」
艦長はうなずくと、リボルバーを教授にあずけた。
くわっ!くわっ!
ドードー鳥が、教授を見て悲しげに鳴いた。
艦長が言った。
「さあ、あとは引き金を引くだけだ!おっと、気をつけて!危ないだろう、銃をこっちに向けないでくれ!」
教授は言った。
「このドードー鳥は最後の1羽。だが、人間なんて16億分の1に過ぎない」
そして・・・
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