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そして、思い出される前世の最期の私の記憶。
「親の仇だ!」
そう叫んだ兄弟ほどにしか年の変わらない甥の刃を私はそのまま受け止めた。
私の存在自体が、これほど、公暁を追い詰めることになろうとは。だが、この子には、私のように、幼い自分を抱きしめてくれた父の記憶も、優しい妻との幸せな時間もなかったのだ。
誰かの代わりにはなれぬであろうが、私は、寂しいこの子を抱きしめたいと思った。だが、血だまりに倒れた私にはそれもかなわぬ。せめて、この子の来世が、御仏の腕(かいな)に包まれた優しいものであってほしいと思う。
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