巡り逢いて

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 私もまた、人の世の終わりを迎えた。 「次に、生まれ変わるなら、何か希望はあるか」  私の意識に、誰かが語りかけてくる。  私は、その言葉に甘えて、贅沢すぎる望みを言ってみた。 「次の世でもまた、将軍家に生まれて、大好きなととさまと、愛しい御台に会いたい。その時は、戦など起こらない平穏な世であってほしい。御台との間にも、前世では持つことがかなわなかった子ができて、人並みの親となりたい」
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