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「時に、家治よ。明日は、江戸についたばかりの姫宮に会いに、じじと一緒に、浜御殿へ行こうぞ」
「はい、おじじさま」
おじじさまの言葉に、今生の私は、恥ずかしそうなそぶりを見せていた。
江戸についたばかりの姫宮というのは、皇族、閑院宮家の姫宮で、五十宮倫子女王といい、私よりも一歳年下の今生の私の許婚である。おじじさまは、可愛い孫のために、自ら積極的に動いて、吟味に吟味を重ねて、今生の私に似合いの縁談相手を探してくださったのである。
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