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邪霊
「楓にはこっちに来てほしい」
多分『こっち』とは一般人とそっちの境界線のことなんだろう。
「うん」
そして、俺は問う
「ここはなんなんですか?」
「それは」
「それは私から話そう」
神菜姉が言葉に詰まった時、今まで一言も話さなかった喜多見が声をあげた。
「ここが元は神社だった。というのはわかっているよね?」
一瞬、こいつなめてんのか?とおもってしまった。
「その当時この神社、守矢神社はひとりの美しい巫女と二柱の神がおられた。」
「ただ、巫女が三代目になったとき、その神社に邪神が攻めてきた。」
「巫女は霊能力で、神は神器でそれを迎え打った。」
「ちょっと待ってください。その霊能力っていうのは、神菜姉がつかっていたあれと一緒何ですか?」
「そうだな。それと同じものだ。まあ、神菜のはまだ未熟だがな。」
「だが、負けてしまった。神器も霊能力も当時最先端の物だった。ただ邪神は邪霊を従えていた。数の暴力だったんだろう。惨敗し、そこは邪神に支配された。」
「その後周りの村に厄災が降り注いだ。そして邪神も邪霊も消えてしまった。そしてここは非郷と言われるようになった。」
「でも、なんで邪霊が動き出したんですか?」
そう。邪霊も消えてしまったのなら今自分たちが追われているものはなんなのか。
「それは、まだわかっていない。我々も警戒していたんだ。」
「ザワザワ」
「なんか騒がしくないですか?」
「それな、何かあったのかな?」
そして、神菜姉が話を聞きに行く。
「どうしたんですか?」
答えたのはカムアさんだった。
「なぜか、さっきからナニかずっと建物の周りを回ってんだよ。」
確かに周りを足音が周回している。
その後、何度目か扉の前に来たとき、
「ドンドンドンドン‼️」
「きゃあ❗」
突然扉を叩かれ、悲鳴が上がる。
そして、
「頼む❗開けてくれ❗」
声は普通の男の人の声。
「入りたいのなら自分から入りなさい‼️」
神菜姉が力強く答える。
すると、
「ガタガタガタガタ‼️」
「うわ‼️」
「地震か❗」
「出ちゃダメだ‼️」
そうこうしているうちに、
「ガタッ‼️」
「あっ」
全員がほぼないと思っていたことが起きてしまったのだ。
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