1.一翔くんの心の中

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 次の日。  学校へ行き、教室に入ると早速窓際の席にいる彼の姿が目に入る。教室全体は、がやがや生徒達がそれぞれ友達と話をしたりしているけれど、彼は席に着き、ひとりで耳にイヤホンを当て音楽を聴いている。人に冷たくて、周りに興味がなさそうな雰囲気。  でもね、私は知ってるんだ。  彼の心の中。  あれから2回、続けて彼は占いの館に来店した。「笑顔を意識したら、チームのメンバーからも笑顔が返ってきた」とか「自信を持ってチームをまとめられそうな気がする」だとか。1回40分の占い料金をきっちり払ってくれているのに、彼は私に近況報告をすると残りの時間は占いを受けずに「休んでいく」と言って、静かに座って過ごしていた。お金もきちんと払ってもらっているし、それで彼の心が安らぐのなら良いなと感じ、私は「分かりました。ごゆっくり」と言い、ふたりでぼんやりしていた。  瀬戸一翔くんと一緒にここでぼんやりしている光景、なんだか現実味がなくて夢の中にいるみたい。
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