恐妻と愛妻は紙一重

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 今回の茶壷事件でも、信長は感情的になってわめき散らすだけだったが。帰蝶は、すやすやと眠っている幼い藤に対して、短刀を突き付け、「可愛そうですけれど、姫も、母やおじ様たちと一緒に、じじ様の元へ参りましょうね」と何でもないように言ったのだ。  信長は、帰蝶の本気を悟り、真っ青になり、心底恐ろしくなった。 「待て。ないものは仕方がなかろう。たかが茶壷で、可愛い姫まで道連れにすることはない」  信長は、なんとかその場を収めたが。
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