AIが奏でる昭和OST

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情報が漏れて妨害がないように、アナログな手法が採用され、録音は板橋区のスタジオで、ファンシーヌが生成したものを即興で「サウンドセッション」が演奏した。 36時間4回のセッションで計3枚のレコード原盤がプレスされ、それをプロデューサーとPINTA、それに私が1枚ずつ持ち出した。 PINTAは自ら運転するBOXカーで、プロデューサーは車で、そして、私はなんと都営地下鉄で最寄り駅まで帰った。 妨害者もまさか私が一枚、それも無防備な電車で持って帰ってるとは思わない。 PINTAもプロデューサーも事故で、レコードが割れたり警察になぜか押収されたりしていた。 残り1枚を、私は長野にある国内唯一のレコードプレス工場に持ち込むべく新幹線に乗り込んだが、その前に、東京駅前の郵便局で、擬装用に手持ちの他のレコードを海外のプレス工場に発送した。 ところが、である。 東京駅構内で尾行されているのに気づいた。 新幹線に乗るのをやめて、そのまま丸の内口からタクシーで自宅へ向かった。 だが、行く先々で、バイクや電動キックボードなどが入れ替わり追跡してくる。 私は自宅へ戻るのを断念して、なんとか尾行をまいて、長野へいくことを選択した。 ファンシーヌへ緊急を告げるメッセージを送った後、私はスマホの電源を切った。 位置情報システムで現在地を知られたくなかったからである。 早稲田鶴巻町でタクシーを降り、それでも追跡してくるドローンをかわすため、私は古本屋で飼料用に購入した住宅地図を広げて、新宿へ走った。 ドローンは現在の地図で私を探している。 古い住宅地図記載の道はすでになかったりするが、実は、家と家の間の路地としてまだ通れたりする。 新宿へ行くのが、北参道駅に出てしまい、そのまま副都心線と東急線で横浜まで来てしまった。 ここから横浜線で八王子まで出て、そこから長野へ、と思ったとき、トートーバッグに数本のデジタルダーツが刺さった。 近くにネトウヨらしい若者がダーツの射出パネルを持って歩いていた。 駅構内だったので、すぐに警察に拘束されたが、トートーバッグに隠したレコードは粉々になっていた。 レコード発売による山上サウンド普及策は失敗に終わり、「ALL!」の佐橋が誇らしげに動画サービスで、AI音楽普及のデメリットを拡散していた。
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