銀を知る者

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-19  エルシィが寝入って、ゼナイドもウトウトし、そろそろ眠りに入る頃だった。ニノから声をかけられ、家の外に出る。 「ゼナイドさん、キノを知っていましたから」  雪は止んでいた。水の季節の星空は、他の季節に比べて随分と明るい。テティアの村に明かりがついている建物がないこともあって、純粋に星の光が降り注いでいた。 「ニノのお話を聞いていただきたいですから」  ゼナイドはニノへ、キノとリルレの町で会ったこと、一緒に星の砂を探したこと、キノはゼナイド達より早くにリルレを発ち、恐らくレッハルトへ向かったであろうことを話した。  ニノはゼナイドの話を聞き入れて、しばらく何かを考えていた。 「ニノは、キノを追っているのか」ゼナイドの問いにニノは小さく頷いた。 「一季節のうちに、レッハルトに行っていれば。キノは入団試験を受けているの可能性は高いですから…ウ~ン」 「キノに入団してほしくないような言い方だな」 「半々ですから。キノに大陸議会に入ってほしい気持ちと、そうじゃない気持ち」  キノが魔法師団に入団したら、ふたりの間に大きな差がまたできてしまう。 「ゼナイドさん、キノからニノのお話、聞きましたから?」 「ああ、まあ…凄い姉がいると聞いた」 「んま。ゼナイドさん、お話きちんと聞いています?」 「能力を見ると君の方が上だと言っていたはずだ」 「ああ…」  ぼんやりと空を見上げて小さくため息をついた。 「ニノの土魔法は一般的なモノよりは優れていると思います。土と言いながら、土中のモノ…植物ですから、それを操るという面では」  ですが。とニノはすぐさまそれを否定するような物言いを見せた。 「ニノの体質に大きな問題がありますから。ニノは、魔力の回復が大変に遅いのです」
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