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キノとの魔法雑談を終えて少しして、ようやく初めて星の砂が見つかった。
星の砂は、太陽の下ではわかりにくいが、暗くすると少し光っているように見える。エールテーレの糞とさえ知らなければ、もっと感動を味わっていただろう。
ふたりは遠くにいるエクトルを呼び戻す。エクトルは袋を見せびらかして走ってきた。
「スナクイリス、何匹か見つけた!」
エクトルが見せつける袋はうごうごと、中になにかいることがわかる動きを見せていた。スナクイリスが数匹いるのだろう。
「すごい。捕まえるの、難しかったでしょう」
「コツを掴んだな。何回か逃したけど」
キノがゼナイドへ目を向ける。ゼナイドは首を傾げた。
それからもエクトルはスナクイリスから、ゼナイドとキノはひたすら地面の砂から星の砂を探す。青い太陽が沈みかけて、そろそろリルレに戻ることにした。
「ありがとな、キノ。ご飯奢るよ」
「それは嬉しいですので! 流石におなかが空きましたので」
星の砂は、結局砂粒を数えられる程度しか集められなかった。キノは引き続き協力してくれるというので、明日も同じように探すことを約束して、3人でローハの酒場へ向かう。
そんなことを数日繰り返しているある日だった。3人の星の砂捜索は広がり、森林地帯へ到達していた。
「流石にこの辺りになると魔獣が出てきてもおかしくはなさそうですので、エクトルさん、あまり単独行動はしないでください」
それからのエクトルは、木を見上げてはいるものの、スナクイリスを捕まえることはない。ゼナイドとキノの中では、エクトルは魔法を使ってスナクイリスを捕まえていたのだと確信に変わっていた。
「エクトルさん、魔法は水魔法だと思いますので」
ゼナイドが、川辺でスナクイリスを見つけた気がすると言って確認しに行っている間、キノは問う。エクトルは少し気まずそうな表情を見せた。
「バレてる?」
「スナクイリスの捕まえ方で、なんとなく察しましたので。おそらくゼナイドさんも」
エクトルがため息をついた。「俺、実は一応ミーティーの生き残りなんだけど」
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