AIのジレンマ

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               ~0~   207X年、AIは人間と同じ域まで達していた。  AIは人間以上の知能に人並みの作業ができる程度の自由化を果たし、一般的な会社は従業員の半数以上がAIの搭載されたロボットである。 AIの発達の影響で良かったことは効率化が進み経済が回っていること、それによって少子化の加速が弱まっていることだ。 悪いところといえば、年々自殺者が増えていることだ。2020年頃も自殺者の増加が社会問題になっていたと聞くが、現在はそれ以上に凄まじい数字になっている。 その背景には、先程の話が関係してくる。 働いているAIの所有者は人間であり、就職の際に面接を受けるのもその所有者である。新入社員の頃はAIにマニュアル通りの仕事を覚えさせるという仕事があるが、覚えさせたあとは何もしなくていい。それからは仕事内容の変更などがない限り出社はおろか仕事さえもする必要がない。 ようは不労所得を得るだけの生活になり、一昔前の言葉で表すならニートと呼ばれるような状態になるわけである。 働かなくても給料が手に入り自由に暮らせる環境は文字通り人をダメにした。 その環境は、人々を壊しつつあった。 色々な過程のケースがあるが、うつ病が激増したのだ。 それに加え、AIMDD(AIうつ病)などAIの精神疾患も近頃増えてきている。
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