罪も憎まず人も憎まず

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「これぞ、まさに失脚だな。ははは」 「御前!」  嫌味でも強がりでもなく、豪快で大らかに笑えない冗談を言う大隈に対し、見舞いにきた江藤新平の次男新作は今にも泣きそうな声で叫んだ。 「行ってきてくれたんだね。新作君。無理を言ってすまなかった」  大隈は、新作に対し、我が子を慈しむような優しい笑みを浮かべて言った。  
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