罪も憎まず人も憎まず

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 夫を助けることのできなかった大隈への恨みは、新作の母千代の中で消えることはなかった。  大隈は、それを黙って受け止めたまま、遺児である新作の経済的援助を申し出た。 「これほどよくしてくださる御前のことを悪く言う私の母のことだけじゃない。御前を襲った犯人のことまで許すなんて!御前はどうかされています!」    
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