第二十三話:戦隊の夏休み

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第二十三話:戦隊の夏休み

 「地球のカレーも美味しかったパオね♪」  ナパティが基地の会議室で思い出を語る。  「しっかりご先祖様にアピール出来ましたな♪」  青玉も同じく思い出を語る。  「ウキウキでお墓を綺麗にしましたね♪」  モモも笑顔で語る。  「当然です、昇様の実家のお墓なのですから♪」  ソーラは胸を張って頷く。  「いや、お寺に神様がごろっと来たら驚くだろ?」  昇がツッコみを入れる。  地球に仲間達を連れて墓参りに行った時の事を思い出したからだ。  「地球の神々にもきちんと筋は通してますから問題なしです♪」  ソーラがにこやかに微笑む。  「我らは妻として当然の事をしただけでござるよ♪」  「お寺にもお布施はしてきましたです♪」  「ご挨拶は大事パオ♪」  「お寺の方も安心されてましたね♪」  「まあ、皆は一緒に来てくれてありがとう♪」  昇はソーラ達に感謝する。  「ふおお! デレを戴きました!」  「ウキウキです~♪」  「嬉しいパオ~♪」  「はあ、幸せに花が咲きます♪」  仲間達がそれぞれのリアクションをする。  「では、福利厚生の海水浴については異論はなしですね?」  ソーラが昇達の顔を見回して尋ねる。  「ああ、楽しみだぜ♪」  「バーベキューは欠かせないパオ♪」  「スイカ割りはウキウキイベントですよ♪」  「思う存分遊びましょうぞ♪」  皆賛成し、おはぎを食いつつ楽しく会議を終えた昇達であった。  盆が過ぎてもまだ夏休みは終わらない。  翌日、ミナト市の海岸にそれぞれの戦隊カラーの水着で訪れた一行。  「こっちはお盆すぎても海で遊べるんだな♪」  日本ならお盆を過ぎれば海水浴シーズンは終わり。  「ですがここミナト市は、まだ遊べますわ♪」  金ビキニ姿のソーラが海へと手を伸ばして叫ぶ。  「海でウキウキ遊びますよ~♪」  ピンクのスポーツ水着姿のモモがスイカを頭上に掲げる。  「昇殿、見て下され拙者の艶姿♪」  青玉は、青い半纏に白い晒しに白褌だった。  海水浴よりかは、夏祭り風の装いである。  「も~、皆はしゃぎすぎパオ~♪」  緑色のスポーツ水着のナパティがクーラーボックスを抱えながら窘める。  「うん、皆素敵な水着姿だな♪」  周囲に自分達しかいないのを確認して昇が仲間達を褒めた。  「さあ、福利厚生の海水浴の開催ですよ~♪」  「「お~~~っ♪」」  ソーラのコールに昇達がレスポンスする。  青い空、白い砂浜に海月のいない遊べる海。  昇達は水着回の回収に全力で務める所存であった。  昇の水着は赤いハーフパンツ型で、雪駄履きである。  「くっくっく、合法的に昇殿のお体を拝めまする~♪」  「いや、青玉達の方がボディビル会場みたいに仕上がってるだろ?」  昇は青玉に呆れた。  自分も彼女達に鍛えられたおかげで、脂のない筋肉質な体になれた。  「ナパティさん、ナイスバルクですよ♪」  「ふん、腹筋板チョコパオ♪」  ボディビルごっこで遊ぶモモとナパティ。  「それではまずは、バーベキューをいたしましょう♪」  「良いね、海でバーベキューは憧れだったんだ♪」  「わかりますぞ、拙者も海には嫉妬しておりましたゆえ♪」  ソーラと青玉の三人でコンロを組み立てる。  モモとナパティは何を焼くか選別。  「ナパティさん、鰻のかば焼きは昇さんでしょうか?」  「鰻も良いパオね♪ たれもあるパオ♪」  何を焼くか吟味する二人、、和気藹々とした空気の中の宴。  「さあ昇殿、拙者が焼いたチキンソテーからどうぞ♪」  「ちゃんとお野菜もべないと、ミックスの串焼きです♪」  「鰻も焼いたパオ♪」  「ラムもございますわ♪」  「ありがとう、じゃあ食いやすいミックスからで」  仲間達が焼いた肉を食わせてもらう昇であった。  軽く食べたら運動だと海に入り泳ぐ。  そして浜辺に戻れば、スイカ割りだ。  「よし、見事に一撃で決めて見せるぜ♪」  昇が目隠しをしてソーラカリバーを構える。  「昇殿、そのまま真っすぐですぞ~♪」  「左斜め後ろに半歩下がって下さい~♪」  「そこから振り上げて一気に振り下ろすパオ~♪」  仲間達の詩人従った昇が剣を振り下ろせば、見事にスイカが割れた。  「さあ、誰が昇様が割ったスイカを食べるかジャンケンですよ!」  「半分は昇君だから勝者は一人パオね?」  「負けられぬ戦いでござるな」  「ウキウキの為に!」  「いや、切り分けて皆で食おうよ?」  仲間達が殺気全開でじゃんけんバトルをしようとしていた所を昇は止めた。  チーム全員で仲良くスイカを食べる。  「ああ、美味かった♪」  「スイカとカレーをどうにかして組み合わせたいパオ♪」  「夏の風物詩ですなあ♪」  「次は焼きそばを焼きますよ~♪」  「トウモロコシも焼きましょう♪」  海辺での食を楽しむ昇達。  今度はデストピアンの邪魔は入らないだろう。  「流石に、今日はあいつらは出ないパオね?」  ナパティが周囲を警戒する。  「パープルナイトもブラッディナイトも倒しましたよね?」  モモが冷や汗をかく。  「お盆はもう過ぎたでござるよ、怪談話は夜にいたしましょうぞ♪」  青玉がナパティ達に微笑む。  「キッチリ浄化したはずですから、冥府にも魂はいないはずですが」  「うん、出たら出たで退治しよう俺達は負けない!」  昇が士気を高めようとする。  「そうパオね、僕らなら負けないパオ♪」  「皆でウキウキ退治ですね♪」  「流石は昇殿でござる♪」  「ええ、それでこそ私達の勇者♪」  仲間達が昇の言葉に頷く。  しかし、デストピアンではなく巨大な赤い蟹の魔物が海から現れた。  「か、蟹です! 退治しましょう!」  モモはロッドを取り出して叫ぶ。  「蟹でござるか、蟹みそは美味いでござるな♪」  青玉も狩人の目になる。  「こんばんは、シーフードカレーにするパオ!」  ナパティも巨大ガニを見て元気になった。  「ええ、魔物なら退治して食べても漁業権に引っかかりません!」  ソーラが法律や権利関係を確認してから叫ぶ。  「よっし、みんなで蟹取りだ♪ ソーラチェンジ!」  昇が叫んで変身すれば仲間も合わせて変身する。  「よし、左翼はグリーンピンク、右翼はブルーとゴールド!」  「「了解っ!」」  レッドの指揮に沿ってメンバーが動く。  「行くパオ、ピンクちゃん!」  「ウキウキにお任せです♪」  グリーンの鎖鉄球が蟹の鋏を弾きピンクのロッドが蟹の足を絡め取る。  「ゴールド殿、参りますぞ♪」  「ええ、最高のカニ料理をレッド様に!」  ブルーの斬撃とゴールドのビームが蟹も右の鋏と足を斬る。  「止めは任せろ、一刀両断だ!」  最後はレッドが正面から刀を振るい両断する。  こうして、ランダムエンカウントでソーラレンジャーと出会ってしまった蟹の魔物は彼らによって美味しく調理されたのであった。  夜、蟹の調理が終われば夕食時だ。  「ウキウキです、蟹を食べると気分が上がります~♪」  猿蟹合戦のような因縁が異世界にもあるのか、モモはバリバリとかにの足を食べる。  「蟹みそを塗った焼きおにぎりも最高でござるな♪」  「黄金色のおにぎりですね♪」  ソーラと青玉は、倒した蟹の魔物の蟹みそを塗って作った焼きおにぎりに舌鼓を打つ。  「皆、お待たせパオ♪ 僕の特性蟹のシーフ―とカレーパオ♪」  ナパティが寸胴鍋のふたを開けてカレーを見せる。  「よっしゃ、蟹三昧だ♪」  昇は蟹のカレーの完成を喜ぶ。  「良いですねえ、新商品で売り出しましょうか♪」  ソーラはナパティの蟹カレーが売り物にならないかを考える。  「蟹は食べどころ満載でウキウキですよ~♪」  モモは色々な蟹の料理を楽しめる事に喜んだ。  「仲間達と過ごす平和なひと時は最高ですね♪」  青玉もカレーを食べようとナパティの所へと赴く。  戦士の休息を楽しむ彼らの頭上で花火が上がった。
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