第一話:光無き世界

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第一話:光無き世界

 これは、我々の時代に伝わる『神話』とは大きく違った世界の話である。  しかし、もしこの逸話を〝偽り〟と断じても糾弾する道理は誰にも無い。反対に、賛美し肯定する道理もない。  これはすべて、遥か過去の話。  当時を生きていた者とでしか共有し得ない……失われた『記憶』。  もしこの逸話を糾弾し、あるいは肯定する道理のある者がいたとするなら。  それはきっと、世界と神々が〝暗闇〟という忘却に呑み込まれてもなお、生きることを余儀なくされた哀れな者だけだろう。
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