15人が本棚に入れています
本棚に追加
第一話:光無き世界
これは、我々の時代に伝わる『神話』とは大きく違った世界の話である。
しかし、もしこの逸話を〝偽り〟と断じても糾弾する道理は誰にも無い。反対に、賛美し肯定する道理もない。
これはすべて、遥か過去の話。
当時を生きていた者とでしか共有し得ない……失われた『記憶』。
もしこの逸話を糾弾し、あるいは肯定する道理のある者がいたとするなら。
それはきっと、世界と神々が〝暗闇〟という忘却に呑み込まれてもなお、生きることを余儀なくされた哀れな者だけだろう。
最初のコメントを投稿しよう!