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あたしは、みおちゃんと仲良くなれてとても嬉しかったです。妖精の世界に戻っても、ずっとみおちゃんのことを考えていました。また、会いたいな。
パパとママに、みおちゃんのことをお話ししました。すると、パパがとってもいいことを言いました。
「そしたら、文通をしてみるのはどうかな?」
「文通ってなあに?」
「お手紙を交換することだよ。お手紙を書いて、タンポポ郵便さんに渡すと異世界にもお手紙を届けてくれるんだ」
タンポポ郵便さん、というのは家の近くにある郵便局の名前です。綿毛にのせて、遠くの世界まで、お手紙を届けてくれるみたいです。なんて素敵なんだろうと思いました。
あたしは、学校の休み時間に、みおちゃんに渡すためのお手紙をかきました。お互いの文字が読めないので、絵をかきました。あたしの世界の絵をかいて、みおちゃんに教えてあげます。
「ねえ、フローラちゃん。何をかいているの?」
クラスの女の子のマリアーヌちゃんが、あたしに質問をしました。おしゃべりが苦手なあたしは、答える前に大きく深呼吸をしました。
「みおちゃんに、お手紙をかいてるの」
マリアーヌちゃんと一緒にいたエアラちゃんが驚きます。
「ええ!すごい!そういえば、フローラちゃんはこの間の交流会でも大活躍だったもんね!ねえねえ、絵が好きなの?」
エアラちゃんは早口でまくし立てました。ほめてもらえたのは嬉しいけれど、ちょっと緊張してしまいます。うまくしゃべれなくなってしまいました。
「ゆっくりでもいいよー」
エアラちゃんは優しい言葉を付け加えてくれました。安心したので、しゃべれました。
「うん。ありがとう。お絵かき大好き」
「フローラちゃんの絵、とっても上手だったよね」
「ねえ、私たちも一緒にお手紙かいてもいい?私たち、フローラちゃんとも、みおちゃんとも、仲良くなりたいの」
「もちろん!」
あたしは、さっきまでかいていた絵にマリアーヌちゃんとエアラちゃんをかき加えました。新しいお友だちができたことを、みおちゃんに伝えたかったのです。
放課後、3人でタンポポ郵便さんに行きました。3通の絵手紙を乗せて、綿毛がふわふわと飛んでいきました。空高く、見えなくなるまで見送りました。きっと明日にはみおちゃんの世界に届くのでしょう。
3日後の朝、あたしの家にお手紙が綿毛とともにやってきました。みおちゃんからです。みおちゃんも絵をかいてお手紙をくれました。絵の中のみおちゃんは、畑仕事をしていました。学校のお友だちや先生と一緒に、サツマイモを植えていました。いいなあ、楽しそうだなあ。
みおちゃんとあたしは、交換日記のようにあったことを絵にかいて送りあいました。マリアーヌちゃんのお誕生日会にお呼ばれしたこと、エアラちゃんのママがみんなを遊園地に連れて行ってくれたこと、交流会で機械の世界に行ったこと。いっぱい絵にかいて、タンポポ郵便さんにお手紙を届けてもらいました。
みおちゃんからもお返事が来ます。みおちゃんのママとホットケーキを作ったこと。みおちゃんのパパとキャッチボールをしたこと。みおちゃんの絵は見ていて楽しい気持ちになります。みおちゃんも、あたしのお手紙を見て楽しい気持ちになってくれていたら嬉しいです。
みおちゃんに、もっと会いたくなりました。
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