君が差し伸べてくれた手 ⑧

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君が差し伸べてくれた手 ⑧

「俺、ここに越してきていい?」 二人ベッドでたわいもない話をしていた時に、唐突に訊いた。 「へ?」 一瞬雅也の動きが止まったかと思うと、ガバッと勢いよく上半身を起こし、俺を見つめる。 「え⁉︎いいの⁉︎一緒に住んでくれるの⁉︎」 「雅也さえ、よければ…」 「いい!いいに決まってる!いつ、いつにする?今日?引っ越し屋に今日頼んで、今日運んでもらうのは難しいから…知り合い総動員させて運ばせる!」 「そんなに焦らなくていいよ。まだマンション売れてないし」 そういうと、雅也は頭についているように見える犬の耳を、しゅんと項垂れさせた。 「俺は…今日がいい…」 上目遣いで言われると、もうダメだ。 「じゃあ、今日、する?」 「いいの⁉︎」 しゅんとしていた顔が、もうひまわりみたいに輝いている。 「でも友達総動員はダメ。自分達で運べる分だけ。な、これでいいだろ?」 「わかった!ありがとう凪。愛してるよ」 雅也は俺の頬にキスをする。 「俺だって愛してるよ、雅也」 俺も雅也の頬にキスをする。 大きなキングサイズのベッドに二人、抱き合いながら深いキスをした。
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