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幼馴染以上恋人未満? ①
「おい、いつまで寝てんだ。講義に遅刻するぞ」
「ん〜もうちょっと…」
「そう言って、もう10分経つぞ。手伝ってやるから起きろって」
「起こして」
僕がベッドの中から手を伸ばすと、
「仕方ないな」
と彼が僕を起こしてくれる。
手際よく着替えさてくれ、洗面所まで手を引いてくれる。
顔を洗い歯磨きをすませ、鏡を見ると、
「あ!消えかけてる」
いつも首元にある虫除けの跡が消えかけている。
「ん?ああ、ほんとだ。虫除けつけとく?」
コクリと頷くと彼は僕の首元に近づき、チュッと強めのキスをして、赤い跡を付ける。
その跡は服を着ていても、少しだけ見える場所。
鏡でその虫除けの印を確認してから、2人でキッチンに向かった。
僕には幼稚園からの幼馴染がいる。
彼は僕のヒーロー。
いつも僕を守ってくれて、どんなことでも知っていて、なんでも僕に教えてくれる。
そして僕の初めてはいつも彼と一緒。
はじめてのおつかい。
はじめての自転車練習も彼がしてくれた。
彼はいつも僕の隣で、僕を見守ってくれる。
だから彼は僕のヒーロー。
僕達はこの春、実家から離れた大学に進学し、同時に一緒に暮らし始めた。
恋人同士じゃないけど、彼のことはずっと大好きでどちらかと言えば憧れの人。
なのにみんなは僕たちが付き合っていると思ってる。
なぜって…
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