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幼馴染以上恋人未満? ②
「お!例の虫除け、またつけてもらったのか?」
講義室に入ると大学に入ってから仲良くなった友達に言われた。
「だって消えかけてたんだもん」
「虫除けってそんなに大事?」
「大事」
だってこの虫除けをつけてもらうまで、僕はずっと色々な人から付きまとわれたり、襲われそうになったり怖い思いをしてきた。
だけど彼がコレをつけてくれてから、そういった事がなくなった。
だから本当にこれは僕を守ってくれる、大切なお守り。
「じゃあさ、今度消えかけたら俺がつけてあげよっか?」
友達がそう言うと、
「ダメ!」
「調子に乗るな」
僕と彼が同時に言い、彼が僕を引き寄せる。
「お前みたいなヤツがいるから、こいつは怖い思いをするんだ」
よしよしと彼が頭を撫でてくれる。
「こいつの面倒は俺がみる。わかったか」
彼が友達を睨むと、友達は
「冗談だって。そんなに怒るなよ」
友達はべ〜っと舌を出してから笑った。
講義が終わり、彼は教授に呼び出されたので、僕は友達と次の講義室に向かう。
「なぁなぁ、お前たちって付き合わないの?」
「う〜ん…」
友達によく言われる。
彼には秘密だけど、僕もよく考える。
でも『付き合う』ってどういうことを意味するんだろう?
好きな人同士が一緒にいて、デートとかする?
それならもうしてるし、彼みたいな完璧な人をを独占するのは、恐れ多い。
「わかんない」
胸の辺りがモヤっとするけど、それ以上の答えはまだ見つからない。
「やっぱりな。お前達距離が近すぎて、わかんないんだろうな。だからコレやるよ」
b5サイズの袋に入った何かを手渡された。
なんだろう?
中を覗こうとしたら、
「家に帰ってから、二人っきりの時に開けること」
と強く念押しされた。
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