それはよく晴れた日のこと

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 やがて、レンナートの咳払いで、ロゼッタも目を覚ました。まだ寝ぼけているらしいロゼッタは、もぞりと身体を起こす。 「あ、朝……?」  消え入りそうに小さな声で、寝ぼけ眼のロゼッタは呟く。 「あれ、裸……? えっと……」    そこまで言って、ロゼッタは弾かれたように飛び起きた。そして、隣にいるレンナートとばっちり目があい、小さく悲鳴を上げる。 「れ、レンナート、さん……っ」 「薬は、抜けたか? 身体のだるさは?」 「ありません。ご迷惑おかけし……、~~~ッ!」  そこまで言って、ロゼッタはついに羞恥に耐えられなくなったらしく、勢いよくブランケットを被り、ベッドに突っ伏した。どうやら昨日のあれやこれやを思い出したらしい。昨日の態度とは大違いだ。  レンナートは寝ころんだまま、ブランケットの裾をぴらりとめくる。 「おい、ロゼッタ」 「……ひゃいっ! き、昨日は、すみませんでしたッ」 「早く起きてシャワーを浴びろ。今日も訓練があるだろう?」 「はい……っ!」 「昨日汚した制服は洗っといてやる。クローゼットに予備があるから、それを着ろ」 「はい……っ!」
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