それはよく晴れた日のこと

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 やたらと威勢のいい返事をしたロゼッタはブランケットを身体に巻き付け、ギクシャクと昨日の情事の残り香が漂う寝室をあとにする。  名残惜しい気もしたが、レンナートもゆっくりと上半身を起こす。昨日の情事の痕跡が、シーツのあちらこちらに残っている。 (……今日は、洗濯するものが多いな)    幸いにも、窓の外は雲ひとつなく晴れている。大量に洗濯しても、問題ないだろう。  起き上がってベッドからシーツをはぎ取っていると、ロゼッタが何かを思い出したように寝室に戻ってきた。 「もう、自白剤は飲まないと約束します……っ」 「……別に、たまにならいいぞ」  からかうようにレンナートが言うと、真面目なロゼッタは一瞬何かを考えるように視線を外したものの、すぐに真っ赤になって首を振った。
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