トリッテ・アトランテの日記

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 3月9日  ナタレイがまたもや、やってくれました。  私の婚約者に手を出したの。  そう、ナタレイなの、手を出したのは、ナタレイなのよ。  ヴァロック様が押し倒して、ナタレイの服を脱がして、脅して、腰の上に跨らせたなんて、私は信じない。信じませんわ。バロッサだって、そんなはずないって、言ってますもの。あんな、あんな醜い娘が私より魅力的なわけなんて、ありえないの。  でも、カトレナ嬢が言うことも嘘だとは思えないの。  でも、でも、私はヴァロック様を信じます。信じたいの。  ナタレイが襲い掛かってきたから、驚いてナタレイを鏡の方に突き飛ばして失明させたのであって、決して、突然カトレナ様がドアを開けたからナタレイを突き飛ばしたのではないと。  悪党はヴァロック様ではないわ。ねぇ、カトレナ嬢。貴女のご友人ナタレイが、悪党なの。
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