6人が本棚に入れています
本棚に追加
それからいくらかの月日が流れて、朝日が地平線に光を灯す。
「うーん、やっぱりこうすると落ち着くわね」
ヒメカはいつものように銀髪を揺らしながら、椅子に腰掛けて水鏡の前で自分の姿を眺める。彼女は銀髪碧眼の少女だ。所謂、高校生くらいの背丈だろうか。
可愛らしく、あどけなさを残した顔立ちの中には凛々しさが隠れている。
「ヒメカ様、そろそろですよ」
「ええ、わかったわ。ちょっと待ってて頂戴」
ヒメカは部屋の扉を開け、家を出る。向かう先は学校と呼ばれる場所。それからして世間知らずの少年、アトラスと出会うのはまもなくのことだった。
最初のコメントを投稿しよう!