2. 仲良くなるのは午後4時

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 会計しようとした時のおばあさんの困り顔の謎が解けた。おそらく、文月はいつも、おばあさんの小銭を使ってあげているのだ。 だからおばあさんは時間がかかっても、文月のレジがよかったのだ。  美織はほっこりと胸が温かくなった。 「そうそう、これね、おみやげ。この前、鶴岡八幡宮に行ったの」  おばあさんは小さな紙袋を文月に差し出した。 「えっ、そんな。悪いですよ」 「悪くないの。ただのおみやげだから」  おばあさんは小さな袋を文月に渡すと、ショッピングバッグを手に持った。 「あら。持ちやすい!」  文月が美織を見て、嬉しそうにうなずいた。 「ありがとうございます。またお越しください」  文月が言った。自動ドアの向こうにおばあさんの姿が消える。 「文月先輩! 小銭、いつも使ってあげているんですね!」  謎が解けた喜びと、先輩の優しさにときめいたせいで、声が弾んでしまう。
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