ペースメーカー

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(了解しました。両足の血流を増加します)  両足が熱を帯び、血管が激しく脈打つ。  僕は、熱くなった両足で思い切り地面を蹴る。  その瞬間、足の裏から炎が浮き上がる映像が脳裏に浮かぶ。  僕は、一瞬にしてターゲットの1人との間を詰めて彼の前に立つ。  ターゲットの顔に驚愕と恐怖が浮かぶ。  つい一瞬前まで自分の後ろにいた人間が前方に立っているのだから無理もない。  ターゲットは、何か言いたそうに震える唇を動かす。  しかし、僕は彼にそんな暇を与えない。  赤黒く膨れ上がった僕の右拳が彼の腹を障子紙のように突き破る。  ターゲットの口から愉快なくらいに大量の血を吐き出す。  僕は、右拳を彼の腹から抜く。  彼は、そのまま仰向けに倒れる。  僕は、じっと魂の抜けた抜け殻を見る。 (鉄分を開放し、血流を正常に戻します)  愛が僕に語りかける。  しかし、僕は、それを拒否した。  乾いた音が空気を裂き、胸や腹、肩に痛みが走る。  僕は、痛いなあと思いながら身体を見ると闇でも目立たないように着ていた黒いシャツに穴が開き、赤黒く染まっている。  撃たれたんだ・・・と僕は思った。
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