結 ここにいる理由

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「────だから明日の四限と明後日六限は入れ替えになるぞ。おい嬉々聞いてるのか? 今は研究ノート閉じろ……おい馬鹿俺を呪おうとするな!」 冬が過ぎ去り、自分と嬉々は高等部の三年に進級した。 二年の三学期までは四つ並んだままになっていた教室の机は、三年になって二つ撤去された。 担任は変わらず二年の時と同じで、話し方がどことなく前の担任に似ているというのを一度指摘した時に斎賀とは従兄弟同士なのだと聞かされた時は嬉々と揃って驚いた。 「それと薫、そろそろ進路希望出せよ。お前だけだぞ」 「まだ三年の六月だよ、先生。卒業するまであと三年もあるのに」 「進路によっては専科の授業内容も変わるんだと進路調査の紙を配った日に言っただろ。何でもいいから書いて出せ。返事!」 はーい、と机に突っ伏しながら手を上げると、担任は息を吐いて出ていった。 季節は初夏、長い梅雨の時期が先日明けて、鎮守の森の緑が濃くなった。 空亡戦が終わってもう半年になる。自分たちの日常は、少しだけ形を変えて戻ってきた。 空亡戦に一旦終止符が打たれた後、合同で神葬祭(そうぎ)が執り行われた。あとから聞いた話で、計475名の神職と審神者1名の犠牲者が出たのだと知った。そのうち学生の死者は1名、それが宙一だ。
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