2-6 女子会はジュースと共に

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「もう村で目下話題独占中ですよ~! お二人も綺麗で細くてすっごく可愛いんですけど、特に長身で髪を結った色気たっぷりのおねーさんと、大きな剣を背負った赤髪オールバックのおにーさんとか超美形ですよね!!」  ユーリスは唾を飛ばしかねないほどの勢いでまくし立てた。両手を組み、何かを思い出すようにうっとりと目蓋を閉じる。  サヴィトリにはユーリスの興奮のポイントがわからない。 「カイとヴィクラムのことか。確かに二人とも顔は整っている。だが、カイはあれで男だ。ちゃんと付いてる」 「見たんですか!?」 「見たのでございますか!?」  ユーリスとニルニラがほぼ同時に声をあげる。なぜか二人とも顔が赤い。 「見せられそうになったことは何度もある。手を股間に持っていかれそうになったこともあったな」  カイラシュのセクハラは留まるところを知らない。日々急角度にエスカレートしていっている。  このままだと寝込みを襲われるのもそう遠くないだろう。いっそのことナニを粉砕して第二の人生を歩ませてやったほうがいいのかもしれない。 「あのカマ犬、本物の変態なのでございます」  ニルニラは嫌悪感をあらわにした。  変態どうこう以前に、ニルニラはカイラシュが苦手なようだ。もっとも、カイラシュが苦手でない人間に会ったこともないが。 「うらや……じゃなくって、仲が良いんですね。もしかして、恋人、とかなんですか?」  先ほど以上に目を輝かせ、ユーリスがサヴィトリに詰め寄ってきた。 「えっと、誰と誰が?」  サヴィトリは思わずのけ反る。  カイラシュとは違った意味で、ユーリスは押しが強い。 「本当に鈍いのでございます。あんたさんと、あいつらのうちの誰かが恋人同士なのではないか、ってことでございます。――実際のところ、どうなのでございますか?」  なぜかニルニラまで詰め寄ってきた。  サヴィトリは気圧されるように二、三歩あとずさる。
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