2-6 女子会はジュースと共に

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「じゃあさ、そういうニルニラはどうなんだ? 恋人とか好きな人とか、いないのか?」  自分だけ質問攻めにされるのも不公平なので、サヴィトリはニルニラに矛先をむけた。 「あっ、あたしでございますか!?」 「あ、声うわずった」 「あ、顔赤くなった」 「うるさいのでございます!!」  ニルニラはきんきん声で怒鳴ると、傘で顔を隠してしまった。 「わかりやすいなニルニラは。で、誰? どんな人? 年上年下?」  意趣返しとばかりにサヴィトリはニルニラに詰め寄った。  ユーリスもうんうんとうなずきながらサヴィトリに続く。 「だ、誰だって関係ないのでございます!」 「えー、他人のこと散々聞いておきながら、ニルニラのほうは教えてくれないなんてずるいじゃないか」  サヴィトリがごねると、ニルニラはうっと言葉に詰まった。意外にニルニラはお人好しだ。 「……すごく、嫌な人なのでございます。お節介で、優しくて。あたしのことなんか、なんにも思っていないくせに」  ニルニラは頬を赤らめ、拗ねたように言った。  恋をしている女の子の顔だ。  何度か見たことがある、自分には縁遠いもの。 「乙女ですねー」 「青春だな」 「~~~もうっ! 帰るのでございます!」  ニルニラは足音荒く、村長の家の方にむかってしまった。 「あーあ、行っちゃった」  サヴィトリはユーリスと顔を見合わせ苦笑する。 「ジュースありがとう、ユーリス。また今度来るよ」  サヴィトリは手を振り、急いでニルニラの後を追いかけた。
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