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「!!!!!!!!!!!! 放置プレイはともかく無視はやめてくださいしんでしまいます!」
(殴る蹴るの暴行はいいのに無視はダメなのか)
サヴィトリはこっそりと今の情報をカイラシュ対策メモに刻んだ。
「実はですね、わたくしずっとこの部屋の天井に潜んでおりました」
「はいアウト」
「最後まで話を聞いてください!」
「これ以上何を聞けと……」
「サヴィトリ様がなかなか寝付けないご様子だったので、運動でもすればぐっすりすこやかに眠れるのではないかと思い、わたくし、微力ながらそのお手伝いをしようと、当初の予定どおり夜這うことにした次第です」
「最初から押し倒す気満々じゃないかお前は!」
「はいそうです」
「開き直るな!」
サヴィトリは拳を振りあげたくなるのを懸命にこらえた。
無視が最も有効な手段だとわかっていても、ぶん殴ってやりたい衝動がこみ上げてくる。
「……共にいられるはずだった十数年を取り戻したい、そう思うのは、わたくしのわがままでしょうか」
急にカイラシュの声のトーンが変わった。
「どういう、こと?」
一応、サヴィトリは尋ねてみた。
サヴィトリの気を引くためのフェイク、という可能性も捨てきれない。
「もしもあの時、高官どもの蛮行を止められていたのならば、ずっとおそばにいられたはずでした。サヴィトリ様を失ってからの時は、わたくしにとって空白です。色のない時間の中、わたくしはただ、サヴィトリ様に再びまみえることだけを願っておりました。この空白を埋められるのは、サヴィトリ様だけ……」
カイラシュはすがるような瞳でサヴィトリを見つめ、自然な動作で抱きしめる。
それがあまりに当然の行為に思え、サヴィトリには抵抗する気が起きなかった。
もしも自分が災厄の子でなく、タイクーンの娘としてクベラで育っていたなら――今まで考えてもみなかったことだ。
すでに起こってしまったことに対する「もしも」は、意味のないことだとサヴィトリは思う。それに、クリシュナやナーレンダと出会っていない自分など考えられない。
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