14人が本棚に入れています
本棚に追加
「スイマセン」
頭を下げ、彼女のアトについて、庭からリビングに上がり、廊下の突き当りのトイレまで案内してもらった。
「それでは、お借りします」
とノブに手をかけようとしたとき
「エイスケさん、ちょっとイイですか?」
彼女はオレの右腕に軽く手をそえた。
(え?なに?)
ちょっとドキっとしたが
「どうかしましたか?」
と、見た目フラットに訊ねた。
「主人のことで、ご相談があるんです」
彼女のオレを握る手に少し、力が加わった。
「えっ!ハツヒコさんのこと?彼がどうかしたの?」
「ここではちょっと……」
彼女は言葉を切り、すがるような上目遣いでオレの反応をうかがった。
戸惑いながら、オレは首を伸ばし、リビングの方へと目を、やった。
確かにこんなトコで2人でダンナさんの話しは出来ない。
彼女は
「連絡先聞いてもイイですか?」
とケータイを取り出した。
そこでもまたオレはドギマギしたが
(まあ、イイか)
と、オレもポッケからケータイを取り出して、お互いの電話番号を教え合った。
カスコさんは
「ありがとうございます。またアトで。では、ごゆっくり」
と、その場から立ち去った。
最初のコメントを投稿しよう!