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「スイマセン」 頭を下げ、彼女のアトについて、庭からリビングに上がり、廊下の突き当りのトイレまで案内してもらった。 「それでは、お借りします」 とノブに手をかけようとしたとき 「エイスケさん、ちょっとイイですか?」 彼女はオレの右腕に軽く手をそえた。 (え?なに?) ちょっとドキっとしたが 「どうかしましたか?」 と、見た目フラットに訊ねた。 「主人のことで、ご相談があるんです」 彼女のオレを握る手に少し、力が加わった。 「えっ!ハツヒコさんのこと?彼がどうかしたの?」 「ここではちょっと……」 彼女は言葉を切り、すがるような上目遣いでオレの反応をうかがった。 戸惑いながら、オレは首を伸ばし、リビングの方へと目を、やった。 確かにこんなトコで2人でダンナさんの話しは出来ない。 彼女は 「連絡先聞いてもイイですか?」 とケータイを取り出した。 そこでもまたオレはドギマギしたが (まあ、イイか) と、オレもポッケからケータイを取り出して、お互いの電話番号を教え合った。 カスコさんは 「ありがとうございます。またアトで。では、ごゆっくり」 と、その場から立ち去った。
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