虚しき道化師

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別にHなど、しなけりゃしないでも良いのだが、やはり間は開いても、定期的にモーションはかけることにしていた。

と言うのも6年くらい前だったか……もう息子が生まれてからだが、さすかに妻とのHも飽きてしまって、間隔が大分開くときもあった。

そんな時、妻はオレにこう言った。

「アナタ、浮気でもしてる？じゃなきゃ、何か見ながら１人でコソコソやってるとか？」

これ言われてオレはムチャクチャ虚しく、イヤ〜な、ブルーな気分になった。

浮気などはめっそうもない。

オレは女性と付き合った経験もなく、どーてーのまま、キミと結婚し、今の所、女は妻１人である。

なので浮気は完全否定である。

１人えっち？それは…たまには仕方なかろう。

だが妻には
「浮気は全然ないし、そんな１人でなんてしないよ。もうソッチはヤル気がしないんだ」
と、誤魔化した。

しかしまた猜疑心が生まれ、詮索されるのもイヤなので、１ヶ月に１回くらいは妻を誘う。

所が、ここ何年かはもう妻の方も、さすがにその気が無くなってしまったようで、オレからの誘いに、仕方なくって感じで応じる時もあれば、ほとんどは今みたいにサラっと拒否る。

なのでオレ的には、する、しない、どちらでも良いのである。

(さて)

お義母さんが結婚か……

確かに面倒くさいし、ウザいし不安もある。

が、とにかく、会わない訳にはいかない。

義母の選ぶ相手だから、あまり、偏屈人ではないと思うが。
と
「なんかブツブツ言ってる？明日も早いんだし、早く寝なよ」

妻が言った。

口には出していなかったのだが、オレの心の声を何か感じとったか。

「判ってるよ」

オレは答えた。