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なかなか、気さくで人懐っこそうな人である。
「自分は、ツパツパ電気に勤務してます。と言っても、店での販売店員や、営業ではなく、事務所の方で、図面を書く方の仕事です」
と言うと
「ほう〜、アノツパツパ電気の、しかも技術者なんですね」
などと、しきりに感心しながら頷いた。
「ゲンジさんは…」
初対面で、しかも立場上、なんて呼んてイイか判らないが、とりあえず下の名で呼び
「ゲンジさんは、お仕事なさってるんですか?」
今度はオレが質問した。
「以前は、シルバー人材センターの方に登録していて、色んなトコに派遣されて行ってたんですが、今は年金暮らしですよ」
「そうなんですか…あの…」
と、もうひとつ。
「ゲンジさんは、立派な体格をしてらっしゃるんですが、何かスポーツでもやってるんですか?」
「学生時代はバスケ部でした。若い頃は、サーフィン、スキーもやってたんですが、今は、ココが悪くてね」
彼は自分の胸に右手を持って行った。
「胸…ですか?」
と訊ねると
「心臓ですよ。カテーテル手術を2回やってます。いざと言う時の薬も常備してますし、あまり激しいスポーツは出来ない。もっぱら今は、囲碁将棋クラブに通い、あとピアノも1年くらい前から習ってます」
と、鍵盤をひく仕草をした。
「そうなんですか…」
オレは表情に戸惑った。
ゲンジさんは続けて
「でも、ゲートボールくらいならと思い、始めた訳ですが、ソコでサツコさんと出逢ったんです」
「なるほど」
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