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聞くと、嫁は浪費グセが酷くて金使いが荒い。その上、やりくりもヘタらしいんだ。 考えてもみなよ、息子夫婦は子供は居らず、家のローンも無い。 息子だって勤め先じゃ、ソコソコの立ち位置らしいから、そう安い給料は貰ってないハズだしな。それでも暮らして行けないってんだからな」 「カスコさんは仕事はしてないの?」 「してないよ。息子には、嫁に仕事させろとは言ってるんだけどね。 本人は出たくないって、頑なに拒否してるらしい。 だからといって、家のことは何もやらないで遊びほうけている。 掃除洗濯などはハツヒコがやってるんだぜ」 「そんなー、妻としても失格じゃない〜」 「うむ。最低な女だ。 だから息子がオレの遺産を相続しても、嫁に全て使われてしまうだろうよ。 とんでもないバカ嫁。 例えるなら、アイツは寄生虫。 ハツヒコの体内に潜り込み、栄養文を吸い取って、のうのうと生活してるんだ。 そんなんだからハツヒコも、さすがに参っているらしい」 「じゃー、どうしたらイイのよ。おとーさん殺されたら、私も生きていけない」 なんて、おとーさんにすがったんだけど、その時フッと思いついたのが 「あ、そうだ、イイこと考えた。 おとーさんサ、アノ家出なよ。どっかアパートでも借りたら? カスコさんだって諦めるだろうし、そしたら私達、わざわざラブホで会わなくてもイイし、私、手作りの料理作ってあげれる。 ねえ、そーしなよ」 って、最善の策だと思ったんだけど 「それくらいじゃダメだろうな。アイツは諦めないと思う。 オレが息子との縁を切らない限りは」
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