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いくらおとーさんがカスコさんからの殺害を逃れる為とはいえ、恋人の母親と結婚なんて有り得ないよ。
私が泣いていると
「お願いだよ。判っておくれ。オマエにもサツコさんにも悪いとは思う。
特に彼女には、オレ個人の都合での、気持ちの無い結婚ということで、騙しちゃう訳だし。
ホント、申し訳無い」
彼は私の髪を優しくなでた。
「そんなコトしないで、2人でドッカ遠いトコ行って暮らそ?私、そうしたい。
絶対ソッチの方がイイ」
って、すがったんだけど
「それは出来ない。そしたらエイスケ君は?オイタロウ君はどうする?
オマエは今の家庭のままがイイんだ。
結婚という、法律上は、おかあさんとは夫婦な訳だが、オレの中では単なる同居人、シェアハウスみたいなもの。
それにオマエとは今まで通り会う訳だし」
でも私は相変わらず、すすり泣いていた。
おとーさんは続けて
「もうすぐオマエの元にサツコさんから、結婚するから相手を紹介したいと声がかかるハズだ。
その時はオレと会ってもフツーにしていてくれよ」
と言った。
もうそこまで話しが進んでいるのなら、私、何も反論出来ない。
おとーさんを信じ、任せるしかないって思った。
それで3年前のアノ日ね。
おとーさんの言った通り、おかあさんから結婚の話しがあったという訳。
実家でおとーさんと会った時は、なーんか変な感じだったな〜。
夫が横に居て、恋人が目の前に居て、おかあさんもいる、なんて場面、なかなかないよね。
アノ時、ゴハン食べて帰る車中で私、ムチャクチャボヤいてたでしょ。
覚えてる?
あれは、お店で、2人、見つめ合ったりして、イチャイチャしてたじゃない?
それに対する嫉妬。
おとーさんはワザとやってるのは判ってたんだけどね。
やはり、愛する人の、あーゆーの見るのはイヤなものね。
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