14

8/12
前へ
/74ページ
次へ
おとーさんの言った通り、その後も私達の関係は変わらなく続いた。 彼は私を抱いたアト必ず 「オマエのおかあさんには手も触れてない」 と言うようになった。 私はそれを信じるしかなかった。 あ、そうそう。 ハツヒコさん夫妻に会った感想も述べるわね。 ハツヒコさんは、おとーさんの言った通りの人だと思った。 優しい感じの気やすく話しやすい人。 一緒に居ても無害な感じ。 アナタと何処となく似てるわよね。 性格がね。体型は真逆だけど。 カスコさんは、恐いオニ嫁的なイメージがあったから、会って、ちょっと面食らっちゃった。 私とは全然違う、スレンダー体型、清楚で白が似合う、お嬢的な感じ。 おとーさんが言ってたコトをするようには見えなかった。 でも彼女の瞳の奥には、何か、したたかさも感じた。 この人はおとーさんを殺そうとしている。 と思うとね、なんか、おとーさんと付き合ってるのがバレると、私も殺されるんじゃないか、人殺しに抵抗はないんじゃないかと、緊張しながら会話してたのよ。 でも、見た目、あーゆー女性に誘われたら、男は乗っちゃうわよね。 アナタの気持ちも判らなくはないわ。 それからほぼ1年が過ぎた。 カスコさんはおとーさんに手出ししなくなった。 ていうか、出来ないよね。 おかあさんトコで暮らしてるんだから。 作戦成功って思ってたんだけど… ハツヒコさんが轢き逃げされ、亡くなった。 おとーさんはその時 「アレはカスコがやったんだ。 ハツヒコはカスコに殺されたんだ」 と言ったの。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加