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オレは率直に、イイ出会いだなと、何回か頷いた。 妻も、オレとゲンジさんとの会話をずっと聞いていたが、やはり、ウンウン頷いていた。 息子のオイタロウは、暇でつまらないらしく、ボーッとしていた。 大人の会話などには、興味はないだろう。 今度はゲンジさんのほうから 「エイスケさんは何かご趣味は?」 と訊ねて来た。 「うーん…得に趣味にしてるとか熱中しているコトって、これと言ってないんですが、ツレとの麻雀はよくやりますね。あと休日は、たまーに1人カラオケ、たまーにサウナ、たまーにゴルフの打ちっぱなし、あとは車でブラブラ、ガソリンの無駄遣いをしながら時間を潰してるって感じですかね」 と答えた。 もう家族3人で一緒に行動することも少なくなっていた。 息子は家にこもってゲームか、休みは友達と遊びに行くし、妻は1人で買い物に出かけるし。 たまにこの義母宅に家族揃って来るくらいで、ほとんど単独行動である。 「サウナですか。イイですね〜。麻雀は興味はあるんですが、ルールがイマイチ判らないんで、今度教えて下さいよ」 と言われたので 「イイですよ。判ればハマると思います。」 オレも自然と笑顔になった。 と、ゲンジさんは腕時計に目をやり 「ちょっと早いけど食事行きませんか?」 と言った。 「そうですね、行きましょうか」 オレは妻と顔を見合わせた。 「自分、イイトコ知ってるんでソコ行きましょう。刺身とか大丈夫ですよね?」 彼はオレと妻を交互に見る。 「エエ、大丈夫です」 と今度は 「オイタロウ君だっけ、お刺身と天ぷら、嫌いじゃない?」 息子に訊ねた。 「ハイ、大好きです」 息子は子供らしく元気よく答えた。
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