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私はそこまで疑うのもどうかと思ったんだけど、その後、カスコさんが殺人教唆で逮捕されて、驚いちゃった。 おとーさんの言ってたコトは、ホントーだったんだって。 また改めてカスコって女が、どんだけコワイ女か判り、私、震えちゃった。 そんな殺人犯と、私、フツーに喋ったりしてたんだからね。 「アイツは悪魔だ。恐ろしい女なんだ」 おとーさんも今更ながら実感していた。 でもネ、逮捕されて、ハイ終わりじゃ無かったのよね。 おとーさんも私も更に驚いたのは、アナタがカスコさんと関係を持っていたコト。 刑事さんが聞き込みに来た時、なんでアナタだけケーサツ署に呼ばれるの?って思ってたんだけど、アナタが土下座して、全てを打ち明けてくれた時は、もうビックリして、声も出なかった。 でも私はアナタを責める資格はないわよね。 アナタと同罪、イヤ、それ以上のコトしてるんだもの。 でね、おとーさんにそのこと話したら 「なるほど〜。まずはエイスケ君がターゲットだったんだな」 って。 「カスコは、近い位置にいて、自分にのめり込みそうなエイスケ君をヒットマンに選んだ。しかし、彼は断った。 だからカスコは次の獲物を探したんだ」 などと感心してたんだけど、また急にしんみりしだして 「オレは息子を殺され、エイスケ君にも、とんだ迷惑をかけた。 それにオマエのおかあさんにもだ。 好きという感情などないのに、己の為だけに結婚までした。 オレは罪深い人間だ。他にもっと方法を考えるべきだった。 こんなことしなけりゃ良かった。 浅はかだっよ、オレはバカだ」 おとーさんは子供のように、自分の頭を握りこぶしで叩いて泣いてたわ。
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